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年収1,500万円という水準は、金融機関から見た際、年収の7〜10倍にあたる約1億〜1.5億円の与信枠を確保できる可能性を秘めています。
この大きな与信枠をただ眠らせておくのは、資産運用の観点から見れば非常に惜しいことといえるでしょう。では、どのように活用すれば節税と資産形成の両面でメリットを享受できるのでしょうか。
ここでは、1,500万円という高年収層における不動産投資の考え方を紐解いていきます。
年収が1,500万円に達すると、給与所得控除を差し引いたとしても課税所得が大きくなり、所得税率は33%の区分に該当します。これに一律10%の住民税が加わるため、手取り額に対して税負担の重さを実感する場面は少なくないでしょう。
また、社会保険料の負担も看過できません。大阪の協会けんぽを例にとると、健康保険料率は10.34%、厚生年金保険料率は18.3%に設定されています。
給与水準が高まるほど累進課税や社会保険料によって手取りが圧迫される構造となっているため、自己負担率を下げたい場合、不動産投資は有効な対策のひとつになります。
不動産投資が高所得者の節税対策として有効な理由は、減価償却費のように現金支出を伴わない経費を計上することで帳簿上の赤字を創出できる点にあります。この不動産所得の赤字を本業の給与所得と損益通算すれば、課税所得を圧縮できるため、結果として納めるべき所得税や住民税を減らすことが可能になります。
年収1,500万円層は金融機関から高い評価を得やすく、融資の審査においても有利に働く傾向があります。ローンのレバレッジを活用しながら節税効果と将来に向けた資産形成を両立できる点は、この年収帯の方々にとって大きな魅力になるでしょう。
年収1,500万円超の方が不動産投資を行う場合、個人名義ではなく、いわゆる「マイクロ法人」の活用を視野に入れるべきでしょう。法人を設立し、所得を個人に集中させず家族へ役員報酬として分配できれば、世帯全体での税負担を効率的に抑えることが可能です。
また、不動産の取得や管理を法人で行うことで将来的な資産承継がスムーズになるほか、経費として計上できる項目の幅が広がる可能性もあります。出口戦略を見据えた資産運用を検討するうえでも、法人化は有力な選択肢の一つです。
年収1,500万円では、所得税・住民税に加え、社会保険料の負担も重くなります。以下では、年収1,500万円の方の各税額と社会保険料を踏まえつつ、不動産投資を行なった場合の実際の手取り額の目安まで順に確認していきましょう。
所得税は、課税所得金額に応じて段階的に税率が上がる仕組みです。給与所得者の場合、年収から各種控除(基礎控除・給与所得控除・社会保険料控除など)を引いた金額が課税所得になります。計算例を見てみましょう。
年収1,500万円
− 給与所得控除:245万円
− 社会保険料控除:約200万円
− 基礎控除:48万円
= 課税所得:約1,007万円
この課税所得に対する所得税率は33%で、控除額は153万6,000円。所得税は、概ね次の通りになります。
所得税 = 1,007万円 × 33% − 153万6,000円 ≒ 約178万円
出典:No.2260 所得税の税率|国税庁
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2260.htm
住民税は「所得割」と「均等割」で構成されていますが、自治体ごとに取り扱いが若干異なります。以下は大阪市の例です。
所得割と均等割りの合計で約101.3万円となります。
出典:税額の計算|大阪市
https://www.city.osaka.lg.jp/zaisei/page/0000383147.html
年収1,500万円の会社員が「協会けんぽ(大阪)」に加入している場合、次のような保険料が発生します(2024年度・40等級が上限)。
それぞれ上限額があるため、年間自己負担額は以下の通り(40等級想定)。
= 社会保険料合計:約152.2万円(年額)
出典:全国健康保険協会
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/~/media/Files/shared/hokenryouritu/r6/ippan/r60227osaka.pdf
以下の前提条件のもと、年収1,500万円の人がマンション投資をした場合の節税効果をシミュレーションしてみましょう。
一般的に不動産投資のローンを組む時の年収倍率は7~10倍と言われています。年収1,500万円の人の場合、だいたい1億円の物件も購入可能というイメージになります。
2025年7月23日時点で、大阪市北区の平均物件像が当てはまりますので、そちらの情報を基にシミュレーションしていきます。
【前提条件】
出典:
ハトマークサイト(売買)
https://www.hatomarksite.com/analytics/stat/sale/27/
ハトマークサイト(賃料)
https://www.hatomarksite.com/analytics/stat/rent/27/
日管協短観
https://www.jpm.jp/marketdata/pdf/tankan28.pdf
上の前提条件の中では、マンション運用中の支出として「ローン返済」と「サブリース手数料」があることが分かります。これら支出を年間賃料から差し引くと次の通り。
年間賃料-年間ローン返済額-年間サブリース手数料
=約226.8万円-約276.8万円-約34万円
=▲約84万円
賃料がローンを下回っており、毎月約7万円の損失(持ち出し)が発生します。
上の前提条件の中では、マンション運用中の支出として「ローン返済」と「サブリース手数料」があることが分かります。これら支出を年間賃料から差し引くと次の通り。
年間賃料-
(年間減価償却費+年間サブリース手数料)
=約226.8万円-(約403万円+約34万円)
=▲約210.9万円
約210.9万円の赤字となりました。これにより課税所得は約796.1万円(約1,007万円 - 約210.9万円)となります。税率が23% に減少し、結果として税金を大きく減額することができます。
実際に不動産投資を取り入れたシミュレーションの結果、帳簿上の赤字を約210.9万円計上し、年収1,500万円(給与所得控除約189.6万円、社会保険料控除約111.7万円、基礎控除48万円を差し引いた課税所得は約796.1万円)の状態から、損益通算によって課税所得を約446.7万円まで圧縮できたとします。
この場合、所得税は約39.1万円、住民税は約45.3万円、社会保険料は約111.7万円がそれぞれの目安となります。これらを合計した負担額は、損益通算前の約431.5万円と比較して、約235.4万円もの節税効果が見込める計算です。
もちろん、不動産投資に伴う実際の持ち出し分として約84万円を考慮する必要がありますが、それらを差し引いても年間で約151.4万円の手取り増が期待できるでしょう。
出典:No.1410 給与所得控除│国税庁
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1410.htm
新築マンションに多いRC(鉄筋コンクリート)造は、住宅としての法定耐用年数が47年と長く設定されています。そのため、減価償却期間が長期にわたり、1年あたりの償却費はどうしても小さくなります。節税効果を優先とする場合、期待したほどの所得圧縮が得られず、「思ったより節税にならない」という誤算が生じやすい点には注意が必要です。
建物構造によって減価償却の進み方は大きく異なります。たとえばRC造の法定耐用年数が47年であるのに対し、木造は22年。この耐用年数の差は、1年間に計上できる経費の額に直結します。償却期間が短い木造物件であれば、同じ建物価格であっても1年あたりの経費をより多く計上できるため、短期間で高い節税効果が見込めるでしょう。
節税を追求するあまり、実際のキャッシュフローまでマイナスにしては本末転倒です。投資の成否は、減価償却費のような「現金支出を伴わない経費」を活用して帳簿上の赤字を作りつつ、日々の家賃収入と返済計画のバランスを整えて手元にキャッシュを残せる物件を選べるかどうか、という点にかかっています。いかに節税のメリットと現金の確保を両立させるかが重要です。
物件選びでは、購入時点の節税効果だけでなく、売却時期まで含めた全体設計が欠かせません。というのも、時間の経過とともに減価償却費が減少し、帳簿上の利益が増えることで税負担が重くなる「デッドクロス」のリスクが存在するからです。
投資を開始する段階から、繰り上げ返済や物件の買い増し、あるいは適切なタイミングでの売却までを見据えた精緻なシミュレーションを重ねることが成功への王道となります。
年収1,500万円の層は所得税の超過累進税率の影響を強く受けるため、個人の不動産所得が積み上がるほど、手取り額の伸び悩みを感じやすくなります。個人という「単一の枠」に収益を集中させ続けるだけでは、節税効果に限界が生じるのは避けられません。
そこで有効な手段となるのが、マイクロ法人の活用による「所得の分散」です。法人を設立し、配偶者などを役員として報酬を支払う仕組みを整えれば、家族側で「給与所得控除」を適用できるようになります。これにより、世帯全体の課税所得を効率的に分散できるため、結果として世帯全体の手残りを増やせる可能性が高まります。
なお、法人名義での資産保有は、将来的な相続や資産承継の選択肢を広げるという実務面でのメリットにもつながります。
マイクロ法人は、個人の所得税率よりも低い法人税率を適用できるうえ、経費計上の範囲を広げやすいという大きな利点があります。特に中小法人は、所得800万円以下の部分に軽減税率が適用されるため、個人の所得税率との差を活かせば大きなメリットを享受できるでしょう。
ただし、こうした税制上の恩恵を享受するには、相応のコスト負担も考慮しなければなりません。法人化には設立費用のほか、税理士報酬や複雑な決算申告といった維持コストが伴います。単に「節税額」だけを切り取って判断するのではなく、イニシャルコストとランニングコストの両方を考慮し、キャッシュフローが改善するかどうかをシビアに見極める姿勢が大切です。
1,500万円もの年収を稼いでいる方ならば、金融事故歴等で信用情報に傷が付いていない限り、金融機関からの融資も比較的受けやすいでしょう。
ただし、いかに高年収とは言え、借入可能額には限度があります。複数物件の購入や築浅物件の取得には、十分に慎重なシミュレーションが必要です。
シミュレーションのポイントは、想定利回りや管理費、空室リスク、減価償却年数など。これらのポイントを総合的に検討し、「いつまで節税効果が続くか」「最終的にどう出口を迎えるか」などを具体的に想定し、物件の購入を進めていきましょう。
ローン元金の返済額が減価償却費を上回る時期、いわゆる「デッドクロス」に入ると、会計上も黒字となるので、それまでに比べて税金が逆に増えることもあります。
築年数やローン期間をもとにしてデッドクロスのタイミングを事前に把握し、必要に応じて、事前の売却や買い替えなどの「出口戦略」を検討しておくことが大切です。
投資用マンションの購入に際し、家賃保証付きのサブリース契約を利用する方も少なくありませんが、一般的に同契約では定期的な賃料の見直しが入るため、収入が想定より下がることもある点にご注意ください。
また、日管協短観によればサブリースの手数料は15%ですが、管理委託の場合は5%程度に設定している会社が多いです。さらにキャッシュに余裕が生まれますので、手数料にも注目しましょう。
安易に家賃保証付きのサブリース契約を選ぶのではなく、まずは空室対策に強くて実績豊富な「客付け力のある管理会社」とのタッグを検討することが大事です。力のある管理会社のサポートこそ、将来的な安定収入と節税効果の両立へと近づけます。
年収1,500万円クラスの節税を不動産投資で実現するには、物件選びと同様に「相談先を見極める目」も重要です。節税効果ばかりを強調し、肝心の管理体制や出口戦略の説明がおろそかな業者は避けるべきでしょう。
不動産会社の選定のポイントは、提案内容の根拠が明確であることはもちろん、入居管理の実務や購入後の運用までを一貫して任せられるかという点にあります。長期にわたって安定した成果を出すためにも、実務能力の高いパートナーを選ぶようにしましょう。
なお、物件選定から運用まで信頼できるパートナーを知りたい方は、以下のページも参考にしてみてください。
1位 入居率 98.98%
(※1)
リピーター率No.1(※4)

京阪神に特化した築浅で値崩れリスクの低い中古区分物件を中心に取り扱っています。地域特性から入居者のニーズをおさえた物件を提案してくれるため、確度の高い投資を実現してもらえます。
2位 入居率 98.3%
(※2)
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自社で手がける「プレサンス」シリーズを展開。供給実績は、2019年2月時点で全国5,267戸。近畿圏のみならず、東海・中京圏を中心に都市型マンションの開発・供給をしています。
3位 入居率 97.6%
(※3)
口コミ評価No.1(※6)

京阪神間を中心とした、関西圏の収益物件を扱っている大阪の不動産投資会社。中古の1棟マンション・アパートのみに特化しており、レインズなど一般の不動産市場に流通しているものではなく、独自のルートで仕入れた物件のみ。つまり、大和財託でしか提供できない優良物件を多く保有しています。
※上記3社は、大阪に本社を構える不動産投資会社を2021年9月30日に調査した結果を基にしています。
※1 参照元:ソヴリックコーポレーション(https://sov.jp/kansai-lp/)2020年度の入居率
※2 参照元:プレサンスコーポレーション(https://www.pressance.co.jp/urban/braight/arrival/risk/index4.html)2020年度の入居率
※3 参照元:大和財託(https://yamatozaitaku.com/cms/news/210304)2020年度の入居率
※4 ソヴリックコーポレーションの選出理由:当サイトで紹介している大阪に本社がある不動産投資会社の中から、2021年9月30日時点で公式サイトにリピーター率の記載があり、最も数字が高かった会社。
※5 プレサンスコーポレーションの選出理由:当サイトで紹介している大阪に本社がある不動産投資会社の中から、「全国マンション 売主・事業主別販売戸数(https://www.fudousankeizai.co.jp/share/mansion/376/2018rank.pdf)2014~2018」で、最も販売戸数が多かった会社。
※6 大和財託の選出理由:当サイトで紹介している大阪に本社がある不動産投資会社の中から、2020年9月30日時点でgoogleの口コミに20件以上の投稿がある会社の中から、もっとも口コミ評価の高い会社